保育園栄養士は園児の身体づくりを支える重要なお仕事の1つです。
実際に給食を作ったり、食育活動を行ったりとなんとなくのイメージはあるかと思いますが、実際はどのような仕事をしているのか気になるという方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、3園を経験した元保育園栄養士の私が自身の体験をもとに、保育園栄養士の仕事は具体的にどのようなことをするのかについて詳しくお伝えしていきます。
これから保育栄養士に転職しようか迷っている方、新卒で保育園に就職を目指している方に向けて少しでも情報を提供できればと思い、正直に書いていますので参考にしていただければ幸いです。
保育園栄養士の具体的な仕事内容
では早速、保育園栄養士はどのような仕事なのかご紹介していきます。
仕事の大部分を占める給食調理
離乳食は月齢や個々人に合わせて切り方や柔らかさなど調理方法を工夫して作ります。
返却される食器に残っている残食や保育士から食事の様子をその都度確認したり、時間があれば実際に食べている様子を自分で確認しに行くなど細かい配慮が必要になります。
離乳食は特に食事の進み方にも差があるので、一人ひとりが食べやすく美味しく食べてもらえるよう工夫していました!
また、幼児食についても各クラスの年齢によって、食材の切り方を変えたり盛り付け量も異なるので配慮が必要です。
実際に給食を提供して面白いなと思ったのが、同じ献立で給食を出しているのに各クラスによって残食が全くないクラスがあったり、このメニューはAクラスでは人気なのにBクラスではすごく残っている…といったことがありました!笑
こういった残食を少なくするために、始めは少し少なめに盛り付けしてお代わりを促すという工夫も行っていました。
そうすることによって、ドカッと盛られているご飯をみて食欲が落ちることなくさらにお代わりできた!という達成感も得られ残食が本当に少なくなりました!!
このように給食をただ作るだけでなく一人ひとりが給食を美味しく残さず食べてくれるように日々工夫して作ることが重要になります。
こちらは保育園栄養士の一番イメージやすい仕事ですね!
また最近では食物アレルギーを持っている子がかなり増えています。
そのため、通常のメニューとは異なったアレルギー対応食を個別で厳重に調理することが多いです。
たった一つの食材でも誤って食べてしまうと大変な事態へとつながってしまいますので、アレルギー対応は特に気を張って行っていました。
卵・小麦・乳のほかにリンゴやバナナなど果物アレルギーも多くなっている印象でした。
調理以外にはもちろん食器類の洗浄や給食室の清掃、片付けもあります。
こちらは調理員さんたちが中心に行ってくれたり、比較的大きい園だと食器洗浄機があったりしますのでその場合はかなり助かります。
私は調理員さんにとても助けて頂きました…!本当に有難かったです泣
結構多い!事務作業
事務については、まず給食に使う食材の発注を行います。
また給食室で使用している調理用手袋や食器洗剤、食器スポンジなどの備品についても栄養士が発注を行っていました。
私はこの発注や食材の在庫管理が少し苦手で、発注し忘れて当日スーパーに買いに行ったり、反対に発注しすぎてしまったこともありました汗
いま思い出すとかなりヒヤッとしたのを覚えていますが、周りの人が優しく許してくれていたのでかなり救われました…。
そして給食の献立作成についてですが、1から作成するところもあれば毎年ほぼ使いまわしている所や市が作成した共通献立を使用する園もあり様々です。
ちなみに私が勤務していた3つの園のうち3つとも市が作成した共通献立を使用して、行事食など特別な時には栄養士が新たに献立を作成するという形でした。
またアレルギー児がいる場合は別に代替献立の作成が必要になります。
また保護者に毎月配布する献立表、子どもの食事・身体についてやレシピなどを載せる食育だよりを作成します。
あとは市の監査のために必要な献立の栄養価や献立表、食材経費についてもきれいにまとめ保管しておく必要があります。
保育園栄養士の事務は地味に細かい仕事がたくさんありますので、個人的にはなかなか大変でした…。
大きなやりがいの1つ!食育活動
食育活動の頻度は園によって様々ですが、私の場合は毎日給食の時間に年長クラスに行き給食に使っている食材当てクイズやどうやって作られているのかについてお話していました。
毎日行うのでいかに飽きさせず給食や食材に興味を持ってくれるように行う必要がありました。
また、食育の中でも特に子どもたちに人気だったのが実際にみんなで調理して食べるクッキング食育でした。
園児が畑で育てた野菜などをクッキングで使うこともあり、みんな大喜び!
単に食育活動といってもたくさんあり、園の中に保護者向けに栄養や食に関するポスターを掲示したり今日の給食を実際に玄関に掲示して見てもらったりと子どもたちだけでなく保護者への食育も大切にしています。
保育園栄養士の保育士や保護者と関わりについて
保育園では保育士との情報共有や相談など密な連携はとても重要となります。
また保育園は誕生日会や子どもの日、七夕、ひな祭りなどたくさんの行事がありますので、行事に合わせて給食も楽しめるよう変えていきます。
保育士からこんな感じで給食を出してほしいとリクエストがあったり反対にこちらから提案したり、相談して決定します。
子どもたちの喜ぶ顔が見たいので張り切っちゃいますね!
また毎月行われる職員全体での会議や給食について話し合う給食会議など情報共有の時間もあります。
保護者との面談については園の方針にもよりますが、乳児の保護者と離乳食の進め方についての相談やアレルギー児・その他食事に不安のある園児の保護者との面談も行います。
子どもにとって食事は非常に重要なので保護者の方にもその大切さを伝えられるよう意識しながら、相談や面談を行っていました。
また、園によっては運動会などの行事に栄養士が参加するところもあります。
園や地域によっては若干仕事内容は変わってくるかもしれませんが、おおよそ保育園栄養士は上記のような仕事内容になります。
また、保育園栄養士の1日の仕事の流れなどについてはこちらの記事に記載していますので合わせて参考にしてみてくださいね!
保育園栄養士の給料はいくら?
では一番気になるであろう、保育園栄養士の給料面についてもズバリお答えしていこうと思います。
保育園栄養士の平均月給は16~22万円となっています。
資格者にしては正直、低いなと感じてしまいますよね。
ボーナスは年2~3カ月分といったところが多かったですが、場所によってはないところや4か月分といったところもありますが、月給との兼ね合いで調整されているように思いました。
給料については、地域差や時期によって最低賃金が異なるため一概には言えませんが、おおよそこの範囲であることがほとんどです。
実際に私は3園での勤務経験がありますが、一番低くて16万円で一番高くて20万円でした。
また就職活動をしていた際に多かった額は、17万~18万円と決して高くはない給料だったのも事実としてあります。
ちなみに私は管理栄養士資格を持っていますが、ほとんどが栄養士としての募集なので特に資格手当で給料がアップといったことは3園ともなかったです…泣
給料の差はあるものの基本的にどの園でも行う仕事はほとんど変わりませんでした。
あとは交通費についてですが、規定にそって支給される場合が多いので職場と自宅が近くない場合であればほとんど問題なくもらえます。
保育園栄養士の労働時間や休日は?
保育園栄養士はどのくらいの時間働き、お休みがあるのかも気になるかと思いますのでお伝えしていきましょう。
保育園栄養士の1日の労働時間は7.5~8時間くらいになります。
私の場合は、勤務した3園とも朝7時30分~8時頃に出勤し、16時30分には退勤していました。
休憩は45分~1時間が規定ですが、なかなかきっちり休憩を取れる時間は正直なかったように思います。
朝の出勤は早いですが夕方には上がれるので朝方の人にはオススメです!
そして保育園栄養士の休日についてですが、年間休日96~100日くらいが多かったです。
休日体制についても園によって差はありますが、私の場合は基本平日毎日フル出勤+土日隔週出勤という形でしたので月の半分は6連勤、残り半分は5連勤といった流れでした。
保育園は土曜日も開園しているので、保育園栄養士も年間休日は少ない場合が多く勤務日数に対して正直給料は少なすぎるなといった印象が強いです…。
また学校と違って夏休みなどの長期休みは保育園にはありません。
そのため、園としての連続してお休みがあるのが年末年始くらいでした。
お盆休みはほかの人と休みをずらして、有休を使ってのお休みにしている方が多かったです。
保育園栄養士の求人を探す際は、年間休日や労働時間と照らし合わせて給料面もチェックしてみましょう。
保育園栄養士の仕事内容や実際の給料は低い?元保育園栄養士が解説!のまとめ
保育園栄養士の仕事内容について自身の体験をもとにお伝えしました。
保育園で働いていた当時は毎日必死に業務をこなしていたのですが、実際に文字に起こしてみると仕事量は結構ありますね笑
園の方針によって栄養士の位置づけや仕事内容、給料面も変わってきますので実際に働く前に園に確認してみましょう。
保育園栄養士は大変なお仕事の一つではありましたが、その分子どもたちの成長に貢献できる喜びや美味しそうに食べている笑顔を見ることができ、やりがいのある仕事です!
少しでも保育園栄養士に興味を持った方がいましたら、ぜひこの記事を参考にしていただけると嬉しいです。